【セミナーレポート】コラーゲンを摂る意味とは?

新田ゼラチン株式会社が主催したオンラインセミナー「コラーゲンは食べても分解されて意味がないは本当?」が開催されました。登壇したのは、長年コラーゲン研究に携わり博士号も取得している新田ゼラチン株式会社の小泉さんと、タレントであり体内時計美容研究家の六車さん。かつて「コラーゲンは食べても意味がない」と言われた時代もありましたが、最新の研究で明らかになってきたコラーゲンの真実をお二人に対談していただきました。
体の中のコラーゲンの役割

小泉:
体の中では、水分の次に多いのがタンパク質で、そのタンパク質のうちの30%がコラーゲンだと言われています。
コラーゲンは体の中の細胞と細胞をつなぐ役割を担っており、とても重要な素材なのです。

小泉:
さらに、コラーゲンは体内全体のうち肌に40%も含まれています。
六車:
コラーゲン=お肌のプルプル、という私たちのイメージはあっているのですね。
小泉:
そうですね。多く含まれるので体感しやすい部分と考えているのですが、実は骨や軟骨にも10~20%含まれています。骨はカルシウムで作られているイメージですが、70%程度になります。残りの構成のうち、20%は有機質が占めており、そのうちの90%がコラーゲンとなります。骨にとっても非常に重要な物質となっております。
六車:
骨粗しょう症が気になる方にとって、カルシウムだけではなく、コラーゲンも非常に重要ということになるのですね。

小泉:
そうなんです。骨というのは、建物に例えるとカルシウムがコンクリート、コラーゲンが鉄筋の役割を担っています。コンクリートがたくさん使われているのですが、それだけではもろくなってしまうので、鉄筋の役割として、コラーゲンが非常に重要なのです。
六車:
お肌のため、という訳ではないのですね。膝の軟骨にもよかった、といった話を聞いたこともあります。
小泉:
はい。肌だけではなく、様々な部位で必要となってくるのがコラーゲンなのです。
年齢と共に減少するコラーゲン
六車:
コラーゲンは何か原因があって、減ってきたりするのでしょうか?年齢が関係してくるのでしょうか。

小泉:
加齢も原因の一つではあります。こちら、衝撃的だと思うのですが、年齢を重ねるとコラーゲンが減りますというグラフになります。コラーゲンのピークは20代と言われているのですが、50~60代になると四分の一まで減ってしまうのです。
六車:
いろんな要因があるのだと思いますが、私自身40代を過ぎてから肌の衰えを感じ始めたのですが、この図を見るとコラーゲンが大きく影響していそうですね。。。
小泉:
私たちは、この減ってしまうコラーゲンを補うことができないか、と希望を持って日々研究をしているのです。
食べても意味がない?研究が覆した“常識”
小泉:
実は、コラーゲンは、そのまま摂取しても自分のコラーゲンになる訳ではないのです。
肌で言うと、真皮※1に存在する線維芽細胞※2というところでコラーゲンは作られているのです。
そしてこの線維芽細胞※2に、産生をうながす刺激を与えてあげることで、作られるコラーゲンの量が増えるのではないか、という研究が行われています。
六車:
なるほど!貧血の方が、血を飲んで補給できる訳ではなく、様々な成分を補給して体で作られる血液を増やすということと同じなのですね。
血液を飲んでも直接血液にならないし、コラーゲンを飲んでも直接コラーゲンにならないのであれば、どうやって作られるのか、が気になりました。
小泉:
はい。ただ、コラーゲン自体を増やすことも大事なのですが、コラーゲンは体の中で代謝をしています。その為、体の中にある古いコラーゲンを分解してあげないと、新しいコラーゲンが作られにくくなるのです。
六車:
それは、代謝の中で分解してくれるものではないのですか?
小泉:
年齢を重ねると代謝が落ちると言われると思いますが、その為、古いコラーゲンが代謝しきれずに残ってしまう場合があるのです。

小泉:
このような形で、新しいコラーゲンを作ることだけでなく、古いコラーゲンを分解してあげることも考えることが必要になってくるのです。
六車:
作ることだけではなく、壊すことも考える必要があるのですね。ということは、コラーゲンを増やす余地があるのでは、ということなんですね?
小泉:
はい。そして、このコラーゲンを壊す/作る指示を出している有効成分が、PO/OG※3と言われるものになります。
六車:
PO/OG※3が司令塔なのですね。PO/OG※3はどうやって摂取できるのですか?
小泉:
コラーゲンの中に存在しているのです。ただ、このPO/OG※3を摂取しても、体から排出されてしまい1日位しか持たないのです。ですので、毎日摂って頂くというのが大事になってくるのです。
コラーゲンペプチド

小泉:
まず、コラーゲンというものは、三重らせん構造をしています。これに熱をかけますと、バラバラになり、ゼラチンと呼ばれるものになります。さらに、このゼラチンを酵素分解という方法で細かく切ったものが、コラーゲンペプチドになります。アミノ酸が複数つながっているのですが、この中にPO※3やOG※3が含まれているのです。
六車:
今までコラーゲンを食べても意味がない、と言われていたのは、PO/OG※3が発見されておらず、コラーゲンを切ってもアミノ酸になるので、意味がないと言われていたのですね。
食事とサプリ、それぞれの役割
六車:
ということは、コラーゲンが含まれている食べ物、手羽先とかを食べることが意味がない訳ではないということなのですね。

小泉:
もちろん問題はないです。ただ、コラーゲンは1日5~10g必要と言われているのですが、手羽先で必要な量を摂取しようとすると、15本必要になります。コラーゲンの為に、塩分や脂質が非常に多くなってしまうのです。
六車:
毎日は続けられなそうですし、効率の悪い摂り方になってしまいそうですね。。。現実的ではないと感じました。
小泉:
そうなんです。さらに、食事からの摂取だと、先ほどの分解を自分で行わなければならないのです。年齢とともに消化能力も落ちてくるため、PO/OG※3の形まで分解しきれず、吸収しづらくなることにもなります。
六車:
ここでも年齢が関係してくるのですね。。。ますます効率のよい摂取方法が知りたいですね。
小泉:
そうですね。年齢と共に食が細くなってしまうことも考えられ、食事だけではなくサプリメントで摂取して頂くことで、より効率的にコラーゲンを吸収しやすいと思います。
ただ食事では、その他の有効な成分も摂取できますので、食事はとった上でサプリメントで補っていただくのが有効かと考えています。
- (真皮):表皮の下にある土台となる層
- (線維芽細胞):皮ふの真皮や結合組織に存在し、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などのうるおい成分を生成する細胞
- (PO):プロリルヒドロキシン
(OG):ヒドロキシプロリルグリシン
※PO,OG共にコラーゲンにしか存在しない

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